【エロスの源泉 ルンバ】

2年以上前に書いた記事です。
社交ダンスを習い始めた人が多いので、こういう内容も面白いかと思って、再投稿です。
社交ダンスは10種類あります。その中のいくつかを数回に分けて紹介していきますね。

ルンバはラテン・ダンスの中でも最も官能的な踊りだろう。

ルンバの表現は男女の駆け引きの典型に尽きる。気を引く女と、手練主管を尽くして女を捕まえようとする男。挑発する女と、その気になる男。逃げる女と、追う男……。実に他愛ない。

パートナーの手を取り、音楽に身をゆだねてみよう。踊りの動きに誘発されて、日常の中で封じ込められていたエロスのもつエネルギーがざわざわと蠢き(うごめき)出すはずだ。それは誰か特定の人にむけられたものというより、私たちの肉体そのものが内に秘めているエネルギーであり、男という性、女という性がもともと抱え込んでいるエロスの力であるのだろう。

ルンバの大地の存在を強く意識した足運び、それと連携して生まれるしなやかな上体の動きには、天上ではなく、この不条理な人間界のまっただ中に喜びや悲しみの在処を探る人間の心の真摯な在りようが映し出されている。

躍りませんか?
 -社交ダンスの世界
浅野素女著より

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